七草粥を摂る独特の日についてご存知でしょうか。
この七草粥は、古来の伝言や歴史的背景から決まった特定の日に食する習慣があります。
この記事では、七草粥の食事法、指定されたタイミングの由来、春の七草の重要性、その効能について詳しく説明しましょう。
何日に七草粥を食すか、その背景について
新年の締め括りである1月7日に通常摂る七草粥。
いつ食べるべきか、それがなぜ1月7日になったのか、その由来をまずはお伝えいたします。
七草粥は新年料理と誤認されることもありますが、正確には「人日(じんじつ)の節句」の1月7日の食事の一部です。
「人日の節句」は端午の節句や七夕と同じ五節句に数えられています。
この七草粥を摂るのは、1月7日の朝が一般的です。
1月7日に七草粥を食べる理由
この日に七草粥を食べることになった理由は主に2つ考えられます。
一つ目は、1月7日が年中で特殊な位置づけを持つからです。
古代の日本では、1月7日は罪人に対する制裁がなされない日とされていました。
時間が経ち、江戸時代になると、この日が「人々を尊重する」精神を体現する人日の節句とされ、
この日に七草粥を食べることがお約束事となりました。
2つ目は季節の要素です。
江戸時代の暦は現代とは異なり、その当時の1月7日は現代としては2月初旬の極寒の時季でした。
野菜が貴重であったこの寒い時期に、健康に配慮して七草を食べることを大切にされていました。
加えて、1月7日頃には新年の飲食で胃腸が働きすぎてしまい、過労状態になりがちです。
こうして、七草という胃腸にやさしいハーブを、お粥という負担が少ない食事を通して取り入れるという習慣が根付いていったのです。
七草粥の基本について
七草粥とは、その名の通り、春の七種の草を使った粥のことです。
次に、七草粥の重要な点について詳しく説明しましょう。
七草粥を摂る目的
七草粥を食べるには、二つの主な目的があります。
それは
1、病気や災害から身を守るためと、
2、健康で長寿を送ることにあります。
古代日本で七草粥の伝統が始まった時、人々の寿命は現代より短く、自身を護る手段は限られていました。
しかし時代を経ても、私たちはこれらの願いを込めて七草粥を頂いています。
起源とその背景 七草粥の歴史は古代中国の唐の時代まで遡ることができます。
元々は七種の新鮮な野菜を用いたスープである七種菜羹が始まりで、これは健康と災害からの保護を願うものでした。
この習慣が日本に伝わったのは奈良時代や平安時代で、日本の「若葉を取る」という伝統と絶妙に融合し、今の七草粥が生まれました。
七草粥に用いる七草の意味と効能 春の七草として知られる
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロを七草粥では使用します。
それぞれの植物が持つ意義と健康効果を挙げてみましょう。
セリは健康な胃を保つ、腫れ物を緩める、尿を促す、便秘を解消する、食欲を増進する効果があり、
また鉄分も多く含んでいるため、貧血改善にも役立ちます。
ナズナはデトックス、利尿効果、出血停止、健康な胃腸を維持する効果、そして清浄効果が期待できます。
ゴギョウは咳を止める、痰を出す、のどの痛みを緩和し、風邪の予防にも役立ちます。
ホトケノザは健康な胃腸の維持と、食欲増進効果、歯痛緩和効果があります。
スズシロは美容効果と風邪予防に寄与します。
七草粥の調理方法とその楽しみ方
七草粥を作るには、まずおかゆと具材を作る必要があります。
それが完成したら、食事の目的とタイミングを理解して、七草粥を味わいましょう。
1月7日の人日の節句に、七草粥を食べて病難災難を避け、長寿を願うのです。
それぞれの春の七草が持つ独特な役割と効能を理解することで、
七草粥を食べる1月7日という日の意義をより深く感じることができます。